ていねいな暮らし、あきらめました。

丁寧な暮らしに憧れているものの、ちょっと無理。おおざっぱに、しあわせに。

自炊を始めて1年半ほど経った感想

本格的に自炊をはじめておよそ1年半ほど経ちました。

 

自立してから1人暮らし、同棲、結婚、子育て・・・と長く自分の力で生活してきたつもりでいましたが基本は仕事が中心の毎日で帰宅は21時以降。料理や掃除は趣味程度で週末の気晴らしに軽くやる位。特に食事は週5~6は外食でした。

 

しかし育児をきっかけに一度仕事をリタイアし隠遁生活に近い生活になってからは、育児と家事が生活の中心に据えられることとなり、これまでと全く異なる仕事・役割を自分なりに奮闘しこなしてきました。

 

そして1年半ほど経った今、家事の中でも特に注力して特訓してきた自炊について改めて振り返ってみたいと思います。

 

自炊で大変だったこと①「継続すること」

はじめはネットで話題になっているレシピやお気に入りの料理研究家さん達のレシピを実践してみるのがただただ楽しくて、作って満足していました。

 

しかし、自炊は「毎日」続けるもの。朝ごはんが終わったら昼ごはんの仕込みをし、昼ごはんを作るのと同時に晩御飯の仕込みをし、晩御飯が終わったら翌日の朝食の仕込みをする。1回1回作って終わりなのではなく、常に次の食事のことを考えながら作業をする必要がある。

 

この流れを止めてしまうととたんに次の食事の支度が億劫になり、デリバリーやら外食に頼る。すると用意していた食材が溜まってしまったり、賞味期限を切らしてしまったり、余計な出費が増えたり・・・と悪循環が始まってしまうのです。この「作って食べる」の延長線上にある作業をいかに息を切らさず続けるか、という点が自分の中で一番大変でした。もちろんたまにどうしても体力・気力的に無理で家人に作ってもらったりデリバリーに頼ることも何度もありました。

 

自炊で大変だったこと②「献立を考えること」

本当は、お腹がすいたら冷蔵庫を開けて「あ、これとこれがあるな・・よし!」と即興でそれなりに美味しいものを作れるのが私の理想。しかし現実には経験値が足りないからアドリブに弱く、たまに思いつきで作ったものは大抵中途半端。ですので週に2,3日分まとめて献立を寝る前に考えていました。

 

自炊がスポットの作業であれば、ただ食べたいものを作って終わり。しかし毎日3食となると難易度が一気に上がります。食材をうまく使い切るためにどの曜日に何を作るか、どのタイミングで食材を買い足すのか、和洋中が偏らないように、パン・ごはん・麺が偏らないように、肉料理ばかりにならないように、たまには家人の好きなものを・・・など。

 

ストレスだったのは、家人が急に割引された刺身やステーキ肉を仕事帰りに買ってくること。いや、一応スーパーで「こんなに安いよ、どうする?」と聞いてくれるので「いらない」と言えばいい話なのですが、わざわざ売り場へ行くということは食べたいんじゃないのか?といらん気を遣ってしまい、結局数日分考えた献立に割り込むようにしてステーキやら刺身が入りバランス崩壊。

 

また、月に2回ほど本当に何も食べたいものが思いつかないタイミングがあって、その時に何かしら作ってやり過ごすのが辛かった。食べられたら何でもいい、目の前に出してくれたら何でも食べるのにな・・と。誰かが自分のために料理を作ってくれることのありがたさを噛み締めたものでした。

 

自炊を続けてよかったこと①「自分好みの味が食べられること」

外食は好きなのですが毎日だと飽きてしまうし、大抵濃くて重い。私は本来薄味が好きだし、本当はただ蒸しただけのお芋や、塩がちょっときいたほくほくのゆで卵、野菜たっぷりお味噌汁と納豆ご飯・・・といったシンプルなものが食べたかった。でもそういうものは外食では食べられず、激務で自炊の日々と程遠い生活を送っていた時はもう本当にそういったものが憧れでした。

 

今は子育てとコロナの影響で外食の機会がなくなってしまいましたが、かつての自分が渇望していたシンプルな食事をいつでも自分の好みに合わせて食べることができるので嬉しく思っています。

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たとえばある日は作り置きのローストチキンと蒸しとうもろこし、ゆで卵。

最初は「こんなの出したら文句を言われるだろうか?」と不安でしたが家族は満足してくれました。「手間の度合いは関係なく、結果おいしければ良い」とのこと。よかった。

 

自炊を続けてよかったこと②「自分に自信がついたこと」

メンタル面が安定したことは自分の中で大きなメリットでした。自炊をせずとも自分で稼いだお金で毎日外で食べていましたから、今まで自分の力で生きているという自負が全くなかった訳ではありません。

が、自炊を始めたことでより能動的に「自分が自分を生かしている」のを実感するようになりました。自分でスーパーに赴いて食材を選び、米を炊き、おかずを作り、食べる。片付ける。簡単なものを作って最低限生き延びることもあれば、好物を作って自分を喜ばせることもできる。さらに、大事な家族を喜ばせたり健康面をサポートすることもできる。これを毎日繰り返している自分がえらく立派に感じられるようになり、自分に自信がついたように思います。

あと、やっぱりおいしくできた時は最高に嬉しい。上手に盛り付けできた時も嬉しい。練習すればするほど上手くなるのが目に見えるので、達成感もあります。

 

 

最初は必要に迫られ始めた自炊ですが、今は生活の一部として自分にとってなくてはならないものになりました。「仕事が趣味」と言う人の気持ちが分かった気がします。

もちろん失敗してガッカリすることもあります。ファーストフードを楽しむことだってあります。家族がいない日はポテトチップスで食事を済ませる時もあります。昔はこういったことに虚しさを感じていましたが、自炊が中心になった今はこれらが非日常になり、楽しめるようになりました。

 

最近の目標は、子どもの幼児食が終わるまでに定番料理のレパートリーを増やすこと。何でもおいしく食べられる子に育って欲しいので、がんばります。