ていねいな暮らし、あきらめました。

丁寧な暮らしに憧れているものの、ちょっと無理。おおざっぱに、しあわせに。

副菜作りの呪縛から突然解放された日。

料理が得意云々以前に、私は献立を考えるのが苦手。

 

作りたいレシピが手元にあれば良いのですが、特に食べたいものも作りたいものもない時は辛い。特に副菜。

 

メインの料理が決まっていても、味付けや調理法でバランスが取れた食事にするために何を副菜として添えれば良いのか、これがなかなか難しいのです。

 

あとは疲れている時、時間がない時。調味料の量とか入れるタイミングとか、調理時間は何分とかレンジは何Wとか、考えるともうぐったり。そんな時はレシピの文字すら頭に入ってこない。

 

 

たまに、レシピ本を見ながらはりきって手間のかかる副菜を作るのですが、メイン料理と並行の準備は結構大変で、食事が終わる頃にはもうクタクタ。

 

このようにかなり長い間副菜には悩まされてきたのですが、最近ストンと解決できました。

 

きっかけは子どものご飯作り。

 

子どもには色んな食材を薄味で食べてもらいたいので、日頃から切っただけのミニトマトや、茹でただけのブロッコリーや、素揚げしたにんじんなど、なるべくシンプルな調理法で野菜を食べさせていました。まあ子どものためというのは半分建前で、大人の食事と同じ労力を使ってさらに子ども用のごはんを毎食カッチリ作る余裕がなかった、という事情です。

 

で、そのように簡単に調理した野菜たちを大人の食事にも出すことがあったのですが、ある日唐突に気づいたのです。これらもそれなりの器に盛れば充分立派なおかずじゃないかと。

 

まあ、茹でただけ焼いただけで塩すら振っていないので、ご飯のおかずや魚のつまみになるかと言うとうーん、微妙。でも、物足りなければ塩でも醤油でもマヨネーズでも自由につければいいし、少なくとも薄味好きの我が家は特段異議も出ず。

念のため家人にどう?と聞いたら、何にも不満はないとのこと。こどもはみんなと同じものを取り分けて食べられるのが楽しいようで、よりたくさん野菜を食べるようになりました。

 

ということで最近は、メインは作りたいおかずを1品、サブはメインに合わせたシンプル調理の野菜を1〜2品、あとはご飯味噌汁納豆あたりで献立を組み立てるのが定番になりました。

 

たとえば、トマト。

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副菜を作る、と考えてしまうとツナやらキムチやら加えなきゃと思いがちですが、湯むきしてしっかり冷やしただけでおいしいです。余裕がなければ皮はそのままです。こってりしたおかずに添えるとお口直しになって良いです。

 

蒸しスナップえんどうとブロッコリー。

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家にあるもの、スーパーで目についた旬のものをとりあえず蒸しただけ。蒸し料理は失敗が少ないのがありがたい。せいろで蒸してそのまま卓上へ。マヨネーズ、味噌、塩など小皿にちょんと乗せて。これもこってり系のおかずと相性がいい。洋食に添えてメイン料理のソースをつけて食べるのも好みです。

 

なすとズッキーニのグリル。

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皮を剥いてスティック状に切った野菜とオリーブオイルをポリ袋に入れてシャカシャカ。オーブントースターの最高火力で15分、裏返してさらに10分。揚げ物よりオイルが少なくて済むのでヘルシー。それに蒸し物同様、耐熱皿そのまま卓上に持っていくので洗い物が少ない。グリルはメインがあっさり目の時に出番が多いです。

通常、皮を剥く必要はないです。が、ズッキーニとナスが苦手な子どもが、ひょっとしたら好物のポテトと間違えて食べてくれるかもしれないと期待をこめて試しに剥きました。作戦は成功。椅子から身を乗り出してたくさん食べていました。

 

 

これらシンプル副菜に共通して言えるのは

1.レシピを見なくていい。

2.調味料の組み合わせや分量を考えなくていい。

3.洗い物が少ない。

4.家族各々好きな味付けで食べるのでみんな満足。

5.柔らかめに作れば子どもも一緒に食べられる。

6.調理中は放置できるのでメインの料理に集中できる。

7.塩分も油分も控えめでヘルシー(自分で調味料をどれだけまぶすかによるが)

 

などなど。

 

もちろん、ポテトサラダやマカロニサラダ、おからの炒り煮など手の込んだ副菜が食べたくなる時もあります。

そういう時はメインをシンプルにします。焼き魚、刺身、ステーキなど。

 

でも、それでもやっぱり自分の中で譲れない組み合わせも少しあります。

たとえば、からあげとポテトサラダ。これはなるべく一緒に食べたい。

 

こういうのはもう、いつもの食事でなく「ごちそう」。

休日に腕まくりする「ハレの日のおかず」に自分の中でランクアップさせることにしました。

 

思えば、どういうおかずを「ハレの日のおかず」「ケの日のおかず」と捉えるかはその人が幼い頃からどういう食事を食べてきたのかによるのかもしれません。

 

私の実家では、先に挙げたような切っただけ、蒸しただけのおかずが出ることはほぼありませんでした。副菜は酢の物、煮物、具沢山サラダなどがよく出ていた記憶。子どもの頃は全て苦手で全然手をつけませんでしたが、忙しいながら頑張ってくれていたんだなあと、数十年経ってやっと親の苦労が分かった気がします。

 しかし一方でそのような記憶が「そういった献立が当たり前なんだ」というある種の呪縛となり自分に長い間まとわりついていたのだな、という思いでもあります。

 

時代や親が悪いわけでは決してありません。が、自分は自分が無理なくできることをやれば良い、と気付くのにずいぶん時間がかかりました。

これからは、もうちょっと力を抜いて日々の料理を作りたい。そう思った食事の時間でした。